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循環するパビリオン
こんにちは、住友館です。
大阪・関西万博への出展を決めて以来、私たちは、森や木と共生する万博パビリオンのあり方を模索してきました。
その結果たどり着いたのが、「住友館は時を超えて、めぐる。」というパビリオンの考え方です。
1)住友の森の木を伐って使う
まず最初にあがったのが、住友グループが保有する森の木を伐って、パビリオン建築に活用するアイデア。
成長した木を伐って森の木の世代交代を促すことは、元気な森林を守ることにもつながります。
また、いま伐採の時期を迎えようとしている木の中には、住友グループが「住友童話館」を出展した大阪万博の年、1970年に植えられた木も含まれています。
大阪開催のふたつの万博が、木の活用を通じて結ばれる。
私たちは、そんな循環のサイクルを通じて、住友にしかつくれないパビリオンを提案したいと考えました。
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2)大切な木材をムダなく使う
次に重視したのが、木材をムダなく使う取り組みです。
「1本1本のいのちを大切にしたい」と思った私たちが注目したのが「桂剥き」。
野菜の皮を剥くように丸太を薄く「桂剥き」して合板に加工すれば、捨てる部分を少なくできるのではないかと考えました。
桂剥きの後に残った"芯”も、ベンチなどに姿を変えて活用する予定です。
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3)植林体験で循環のループを完成させる
人の手で森林を循環させるには、木を「伐る」→「加工する」→「使う」→「植える・育てる」というステップが必要になります。
住友館では、建築用の木を伐採し、その場所に新たな苗木を植えることを策定。
その植林作業の一部を、来場者のみなさまに参加いただける「植林体験」として、パビリオンが提供する体験の中に組み込むことにしました。
来場者のみなさまと一期一会の出会いを果たした苗木は、やがて豊かな森に成長し、数十年後、100年後、時を超えて未来へと受け継がれていくことになります。
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住友館は、184日間の期間限定でオープンする万博パビリオンのひとつ。
それと同時に、400年を超える住友の歴史や、過去、そしてこれからの森ともつながっています。
森からはじまる未来を見据え、時を超えて循環するパビリオン。
それが、私たちが目指す住友館の姿です。